ベイキッズマガジン

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2017.Winter VOL.023

特集1教えて!みんなの習いごと事情!

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安心して失敗できる環境で子どもの自信の根っこを育もう
子どもの習いごとってなにを基準に選べばいい?大人はなにをしたらいいのかな?子どもの大事な居場所としての「習いごと」を考えてみましょう
 
 
 
はじめる前に「なぜやるのか?」を考えてみよう
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子どもにどうして習いごとをさせるのでしょうか?親が自分の体験を重ねあわせて始めるケースもあれば、周りの友人からの影響など、いろいろな理由があると思います。幼児期の習いごとは、家庭や学校(幼稚園・保育園)以外の子どもの第三の居場所という意味も含め、「学び方を学ぶ」という大切な場所とも位置づけられます。「なにを学ぶか」というよりは、「どんな環境で学ぶか」という視点で考えてみましょう。
 
 
 
 
「自信型」の子どもを育てる
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なにかに挑戦するとき、誰も心の中に自信と不安が交錯します。自信が不安を上回り、「やればできるだろうから、やる」と考えるのが「自信型」の人間です。逆に、不安が自信を上回り、「できないだろうからやらない」と考えるのが「不安型」の人間です。子どもを「自信型」に育てるためには、子どもの失敗や葛藤を「見守る」ことが大切です。子どもは試行錯誤して成長します。小さい失敗と成功を繰り返すことで「今は出来なくてもいつか出来る」という自信が身に付きます。邪魔なのは、「正しい」「完璧」なやり方を教えてしまうこと。「できる」という成功体験をさせたくて、大人はついそれをやってしまいがちですが、逆に子どもを怖じ気づかせるきっかけになってしまう場合もあります。完璧を求めずにその子なりの「安心して失敗し、安心して成功できるところ(ならいごと)」を用意してあげることが大事です。
 
 
 
 
子どものやりたいを大事にする
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「学習」は次のような段階に整理されます。
⓵やりたい!
⓶やりたいけどできない・できないけどやりたい
⓷やった!できた!
⓸いつでもできる・どこでもできる

「やりたい」が第一にあること。それがないと学習ではありません。「やりたい」と言う気持ちがあれば、「やりたいけどできない」という段階が必ず来ます。それを大人がどれだけ辛抱して見守られるかがポイントです。「できる」ことだけでなく、失敗やつまづき、間違いを大事にする環境は、子どもの「学びたい気持ち」を育ててくれます。
 
 
 
 
「憧れの姿」を見て自分で学ぶ力を身につけていく
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子どもの「やりたい」のきっかけは「憧れの姿」です。その道のプロや先生、ちょっと年上の先輩たちが取り組む姿に憧れて「やってみたい」という気持ちが生まれます。
たとえば、初級・中級・上級者が一つの場所で学びあうなど、さまざまなレベルの人が混ざりあっている状況は、子どもの学びにとって最高の場所です。教わらなくても学びが始まっている環境。これを「実践コミュニティ」といいます。ピアノでも英語でも体操でもなにをやるかはこの場合、重要ではありません。先生や先輩、友だちの中に、自分のお手本やモデルを自分で見つけ出し、まねをして上手になっていく。いろんな人を観察しながら身につける「自分で学びの資源を獲得する力」は、これから先、小学校やその先に進み、大人になってビジネスの現場でも役に立っていきます。
下手な人が許容されている場、「やらなきゃいけない」にとらわれず力まないで済む習いごと教室などは学ぶ環境としておすすめです。「みんな一緒」ではなくてそれぞれのやり方を認めてくれる場が大事です。
 
 
 
 
「大人」の立場でなにが出来る?
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コミュニティの中で育つ力は子どもの中に本来備わっています。昔はそういうコミュニティが、縁側や空き地など、まちの「隙間」のような場所で自然発生していたと思います。親や先生がタテの関係、友だちがヨコの関係だとすると、「ナナメの関係」である地域の人や年上の仲間が身近に存在しました。時代が終わり、今は意識してそういう場所を用意しないと子どもはコミュニティの中での学びを体験できません。それを習いごとの場に求めるという考えもあると思います。昔でいう「群れ遊び」を習いごとに求めている部分もあると思います。
親が子どもに対して出来ることは、短い目では、今は失われつつあるコミュニティの中での育ちを子どもに与えること。そういう環境を体験させること。そして長い目では、社会の中に昔ながらの隙間やナナメの関係を取り戻すことではないでしょうか。


【お話をお聞きした人】
67D4C41F久保健太さん
関東学院大学教育学部 子ども発達学科 専任講師 
日本を子どもに優しい社会、人に優しい社会にしたい、保育・教育・まちづくりの領域を横断して研究する。近著に「保育のグランドデザインを描く」汐見稔幸/久保健太編著(ミネルヴァ書房)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

  

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