ベイキッズマガジン

シャーロックホームズ ベイキッズマガジン
ベイキッズマガジン

2018.Autumn VOL.030

特集1子育て期に必要な情報、あなたに届いていますか?<ベイ★キッズ発行30号記念>

インターネットが発達し、様々な発信受信方法が生まれる中、孤独を防ぎ豊かな子育てライフを過ごすための「情報」はどう得ていけば良いのか。情報発信の変換から考えていきます。

横浜市の子育て支援拠点事業の先駆けとなった港北区のNPO法人びーのびーので情報発信事業を手掛けてきた畑中祐美子さん。幼稚園ガイドの作成から始まり、子育てマップやサイト、メルマガの運営など港北区の子育て支援情報発信の中核を担ってきました。そんな畑中さんとベイ★キッズ立ち上げの頃から交流のあった当編集部の東が、この10年の情報発信の変遷と現時点での課題について対談しました。

畑中さん

編集部:東

 

発信は遠隔支援 リアルな場所は近距離支援

畑中:10年ほど前、皆が携帯電話を持つようになるとメールマガジンが大流行しました。乳児子育て中の人の手元にも情報が届くとあって子育て支援の業界でメルマガやHPは重要視されましたね。
東:メルマガ「ベイ★キッズめ~る」も2007年10月にスタートしました。この10年で子育ての支援制度も様々な発展を遂げましたね。介護保険制度導入からの「ケアを社会化する」流れが生まれ、サービスの利用を促すコーディネーターの役割が必要になってきました。
畑中:2017年に横浜市3区にモデル導入された「母子保健コーディネーター」は妊娠時から産後にかけてケアする専門スタッフ。母子健康手帳の交付を担当するので子育てをはじめる人への接触率は高くなると思います。初期の段階で情報の取りこぼしがないようにという点でも期待される役割です。情報による遠隔支援とリアルなコミュニケーションでの情報伝達、両方の情報サポートがあることが望ましいです。

10年前にスタート!ベイ★キッズめ~る


畑中:ベイ★キッズはどういうきっかけで始まったのですか?
東:私は知り合いのいない横浜市西区に引っ越してきて、2人の乳幼児を子育て中、子育て情報の不足を感じていました。西区の子育てマップを作る活動で知り合ったシャーロックホームズ(現在ベイ★キッズを発行するNPO法人)に参加し、情報発信活動を担うことになりました。補助金を申請し、やっとの思いでシステムを構築し、メルマガ登録開始1か月で1,000人ほどの申し込みがありました。補助金は1年で終わりましたが、ニーズを感じたので、月々のシステム費用を支払いながら続けることに。それが子どもの年齢に合わせた情報が届く「ベイ★キッズめ~る」です。親と子のつどいの広場には情報がありますが、広場に来られない人もいる、そんな人たちにも情報が届くようにしたいという願いがありました。紙のベイ★キッズマガジンは、その4年後に発行スタートしました。
畑中:子育て情報が少ないから自分でその環境を作る、私たちも同じでしたが、その原動力はとても大切だと思います。

まだ情報を手入力!?オープンデータ活用の未来へ

東:メルマガ全盛期から時が進み、今はスマートフォンを持つ人が増え、Wi-Fi環境も整備され、SNSも発達し、アプリも次々と開発されています。子育て情報も、支援団体や当事者個人、行政、企業が様々なスタイルで発信を始めています。港北区の子育て支援拠点どろっぷでも畑中さんを中心に子育て中の当事者と情報通信を学ぶ学生とともに「ココアプリ」開発に乗り出し今年3月にリリースしましたね。

ココアプリの画面

畑中:このアプリはデータを打ち込めば他地域でも活用できる仕組みになっています。ただ、課題は情報が手入力であることです。実はたくさんある子育てアプリやサイトの多くが各自のデーターベースに情報を手で入れています。
東:ベイ★キッズのメルマガも手入力です(笑)
畑中:それぞれ情報を取り寄せコツコツと手入力しているわけです。古くなった情報の削除や最新情報への入れ替えなどの情報の保守管理が課題です。今後、オープンデーター(*)を利用し自動的に最新内容に更新していくことができれば、各サイトは情報入力に時間を割かれることはなく、他に力を注ぐ事ができます。子育て支援情報のオープンデータの活用は横浜市では金沢区、南区など実績や成功例が出始めているので、近い未来、情報発信の世界はまた大きな変換を迎えることになるでしょう。

*「オープンデーター」国、地方公共団体、事業者が保有する官民データを国民誰もがインターネット等を通じて容易に利用(加工、編集、再配布等)できるよう公開されたデータ。

発信・取材は社会参画ツールである

ベイ★キッズマガジン

東:ベイ★キッズでは当初から、単に便利な情報を発信していくのではなく、情報の受け手とのコミュニケーションを大切にすることをモットーにやってきました。子育て当事者が取材に参加する仕組みもあります。
畑中:自分の知りたい情報を自分で足を運び書いていく。ひと手間かけて発信下した経験はその人の身につきます。例えば子育て拠点の運営は誰にでもできることではありませんが、写真を撮って情報発信することも社会の誰かのためになる。情報の収集発信は社会参画のツールの一つでもあるのです。
東:情報は一方通行でないほうがいいかもしれないですね。

情報の選び方 学ぶ意識も必要

東:今回の調査(2面参照)では回答者の9割以上がスマホを主な情報取得ツールとしていました。スマホでたくさんの情報が探せますが、情報が多すぎて、検索するコツがわからなかったり、調べる能力や時間が足りない人には必要な情報が届いていない可能性も増えてきました。
畑中:情報の同質性の課題もありますよね。新聞を取らなくなって、ネットの情報に頼るようになると、オールジャンルの報道を見る機会が減っていきます。「好きな情報だけしか触れていない」とネット環境を認識すべきです。「みんな言っている」のみんなって誰なのか?近い意見の人たちが集まる傾向にあるネットの中の価値観でなんでも判断するのは危険です。子育て中も様々な価値観にふれる努力をして、情報を選ぶ力を身に着けたいですね。

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