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2019.Summer VOL.033

特集1どう伝える?性のこと

「性のこと」ってどのくらいの年齢から、どんな風に話せばいい?
性を正しく知ることは、自分や相手の「からだ」を大切に思うこと。ぜひ幼いうちから少しずつ、前向きに、親子で話してみませんか。

◎「その日」は突然やってくる


子どもたちは、少しずつ言葉を覚えると同時に、たくさんの質問を周りの大人に投げかけてきます。たいていの質問にはまじめに答える大人でも、「あかちゃんはどうやってうまれるの?」などと問いかけられたときには、とにかく曖昧に言葉を濁しがち。でも実は、性に関する正しい知識を身につけるのには幼児期が最適なスタート期です。
子どもはそもそも生まれた時から、その子なりの「性」を持って生まれてきます。自分のからだや、一番身近な兄弟やお父さんお母さんのからだのことに興味を持つのは、とても自然で当たり前のことなのです。
「あ、その日が来たな」と思ったら、変に恥ずかしがったりせずに、年齢なりにわかる言葉で、少しずつ正しい知識を伝えてあげましょう。そのためには親がからだのつくりと発達のことをきちんと理解していることが大切です。

◎トイトレ(*1)期こそ最初の一歩!

おむつが取れて、排泄の始末を自分でできるようになる時期は、自分のからだに興味がわく時期。同時に、性器の周りのトラブルを起こしやすい時期でもあります。この時期に、手や足など他の体のパーツと同じように、おしっこやうんちのでる場所や、正しいケアの仕方を教えましょう。女の子なら膣の周り、男の子ならペニスの皮の間を清潔に保つよう、お風呂で洗い方を丁寧に指導してあげることも大切です。
ひとりでトイレに行くようになってからは、炎症にも注意が必要。まだ、3~4歳ごろは性器をいじる癖があるお子さんもよく見られます。触っているのを発見したら驚いてしまうこともありますが、やみくもに禁止しても逆効果。怒らずに「汚い手で触るとバイキンが入って痛くなっちゃうよ」と伝えます。また、「みんながいるところではやめようね。おうちだけにしようね」などと、パブリックとプライベートの違いも意識できるよう声がけをすると良いでしょう。
(*1)トイトレ=トイレトレーニングの略

◎伝え方に迷ったら?


テレビドラマでのベッドシーンや、コンビニの成人雑誌売り場、歓楽街でのきわどい看板など、子どもの周りには、意外なほど大人のための性の情報があふれています。本来はゾーニング(*2)を徹底してほしいものだけど、すべてを避けて通れないのも現代の実情。その場で答えに困る質問が飛び出した時には、「お母さんもよく知らないから調べておくね!あとで話そうね」などと約束していったん保留にするのも一つの手。調べたり考えたりしても自分の言葉でうまく説明できない時には、性のことを伝える絵本も役立ちます(特集2参照)。
伝える時のポイントは「性を否定しないこと」。性は誰にとっても大切なものだということとあわせて、自分のプライベートゾーン(水着で隠れる範囲と口)は、他の人に勝手に触らせてはいけない、ということもしっかり伝えましょう。
(*2)ゾーニング=ものやコンテンツの閲覧、購入などを年齢ごとに制限すること

◎「もしも」に備えて、幼児期から「話し合える」関係づくりを


残念ながら世の中には、自分のために他人の性を侵害する人がいて、幼い子どもであっても性被害にあうことは決して珍しいことではありません。少し大きくなって、ひとりで行動する機会が増えてからは、公共のトイレのような場所には危険な場所もあると伝える、一緒にいる時には付き添って見守る、なども大切です。
子どもが性的なことに全く理解がなかったり、ただ後ろめたいものだと認識していると、誰かに体を触られたりなど違和感を覚える事態にあった時に、なかなか大人に話せないこともあるようです。けれども、ふだんから信頼できる大人と性についてオープンに話せる環境があれば、子どもの異変も察知しやすく、また、危険な状況への対処法も教えやすくなります。一緒に過ごす時間の長い幼少期こそ丁寧に、親として「あなたの性」を大切に思う気持ちを伝えておきたいものですね。

子どもに伝えよう

何かヘンだと感じたら

①「やめて」といおう
~いやだと言っていいんだよ
②すぐに はなれよう
~知っている人でも逃げていいよ
③だれかに はなそう
~誰かに話したらちゃんと聞いてくれるかな

Q.息子が女の子向けのアニメのおもちゃを欲しがります。どう対応したらいいでしょう。
A.うちの子どもはこれが好き、でよいですよ。

今は男の子らしく女の子らしく、と言うのは減ってきています。もし、からかいの対象としてそうした話題が出た場合は「言われた人が嫌がっているのならやめようね。嫌がる言葉を言うことで気持ちを傷つけることもあるんだよ」と伝えましょう。

※明るい雰囲気で話すようにしましょう。子どもが成長すると自然な流れで説明しづらくなるので早いうちに。対等なパートナーに興味を持つきっかけにもなります。

お話をお聞きした人

池畑博美さん NPO法人「虹色のたね」理事長
すべての人が人権侵害を受けずに安心して生きていく社会の実現を目指し虐待や性暴力から身を守るための研修事業などを行っています。
http://www.npo-nijiiro.org/

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