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2016.winter VOL.019

特集1「子どもの権利」を考えると、親も子も楽になる?

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「わが子をいい子に育てなくちゃ!」と、必要以上にプレッシャーを感じていませんか?「子どもの権利」を考えてみると、子育ての視点が変わるかもしれません。
 
★「子どもの権利」とは、当たり前のこと
例えば、赤ちゃんにとっての「子どもの権利」とは、おなかがすいたらおなかいっぱいミルクが飲めて、眠たくなったら温かなお布団で眠れるということ。少し大きな子には、遊びたいと思った時に思い切り遊べるという権利もあるでしょう。「子どもの権利」とは、子どもが健やかに成長していくために当たり前に必要なこと。子どもの発達段階によって変化することもあります。どんな年齢の子どもであっても、ひとりの人間として、権利を尊重しようというのが「子どもの権利」の考え方です。

 
★「あなたはどうしたい?」と聞ける親に
とはいえ、親はよかれと思って「こうした方がいい」と勝手に決めてしまいがちです。けれど、いつまでもそうできるわけではないこともわかっています。子どもがいつの日が自分で判断できるようになるために、「あなたはどうしたい?」と「今」聞ける親になれるといいですね。

 
★正しく「権利」を学べば、わがままにはならない
権利とは自分の思うままになんでもできるということではありません。自分の決めたことや起こした行動には責任が伴います。また社会の中では自分の権利と相手の権利がぶつかり合うこともあり、調整しなくてはいけない場合もあります。発達段階に応じて子どもの権利を正しく学び、権利を行使し、調整する経験を繰り返す中で、子どもはわがままになるのではなく、むしろ相手の気持ちを想像できるようになり、子どもの考える力や判断する力に加え、他者を思いやる力などが養われます。

 
★「子どもの権利」は社会全体で守る
子育て中はつい、わが子のことは「私が守らなきゃ」「私がなんでもしなくちゃ」と考えがちですよね。しかし、東日本大震災では多くの子どもたちが当たり前の生活を奪われ、親ひとりのがんばりではどうしようもない現実が突き付けられました。このように、親だけでは子どもの権利を守ることが難しくなっています。
国連子どもの権利条約(*注)では、子どもの発達はまず親が責任をもち、そしてそれだけではうまくいかない時は社会全体が保障していかなければいけないことが明記されています。日本でも、この条約の考えが取り入れられ、たとえば児童虐待防止法(2000年)や子どもの貧困対策推進法(2013年)が制定され、地域や社会全体で子どもを育てていこうという機運が高まっています。

 
★子どもと一緒に「社会」に出かけよう
子どもの様子を振り返ってみると、とても小さな頃から「社会」の中で育ちあっていることに気づきます。例えば、ハイハイしかできなかったわが子が、お友だちが立ち上がるのを見てつかまり立ちができるようになった経験はありませんか。子ども同士の小さな「社会」の中で子どもたちは確実に成長します。また、社会に出かけることで、自分の親以外の大人に出会い、さまざまな価値観や生き方に触れ、子どもの視野も広がるでしょう。
だから、できるだけたくさん、子どもと一緒に「社会」に出かけましょう。そしてあなたも、わが子以外の子どもの「親以外の大人」の存在になりましょう。出かける場所は、近所の公園や赤ちゃん教室、地域活動、パパやママのお友だちの集まりでも構いません。子育てを親だけで抱え込まず、困った時には助け合いながら社会の中で子どもを育てていくことは、親にとっても子どもにとっても、地域や社会にとっても、必ずプラスになります。

 
●お話をうかがった方:安部芳絵先生(工学院大学・准教授)
ACE30062専門は子ども支援学。被災地域での子どもの社会参加の研究や、乳幼児の保護者向け講座をしながら、子どもの権利を実践的に考えています。年長・小3・小5の男の子のママ。

 

 

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