ベイキッズマガジン

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2015.Autumn VOL.018

特集2幼い頃から異文化に触れることで、ひとりひとりの「違い」を受容できる子に。

韓国の絵本を読み聞かせ「夏休み国際読書会」

外国につながる子どもたち*が全児童の約半数を占める南吉田小学校は、まさに異文化が融合する横浜市の縮図。学校運営に奔走する藤本哲也校長先生のお話から、子どもたちが異文化に触れることの意味や私たち親が大人として外国の方たちとどう接すれば良いかを考えました。
*外国につながる子どもたち・・・両親あるいは、母親または父親が外国人の子ども
 
◎まずはあいさつからコミュニケーションを

韓国のちぢみが給食に。「MYワールドランチ」

韓国のちぢみが給食に。「MYワールドランチ」


南区と中区に学区を抱える南吉田小学校では、中国、フィリピン、韓国・朝鮮などの外国につながる子どもたちが全児童の約半数を占めます。日本語指導が必要な子は全児童の約1/4。はじめは国際教室で日本語を集中的に学ばせ、ある程度分かるようになってから、一般の児童と共に学べるようにしています。やはり言葉って大切なんですね。「おはよう」ってこちらからあいさつをしても、日本語がわからないとつい無口になる。あいさつをしたのに、あいさつを返してもらえないと嫌な気持ちになる。小さな行き違いが、誤解を生じることもある。だったら「おはようございます」でも「ザオ シャン ハオ(中国語で『おはようございます』」でもいいから、朝のあいさつがあちこちで飛び交う南吉田小にしようよ、と子どもたちには言っています。

 
◎違うからこそ、「きちんと説明」を大切に

韓国の絵本を読み聞かせ「夏休み国際読書会」

韓国の絵本を読み聞かせ「夏休み国際読書会」


入学を希望する外国人の親の多くは、学校は勉強だけする場所だと思っています。実は、日本の学校は世界から見るとかなり特殊。体育の授業があるのは珍しいし、給食の白衣を洗濯してアイロンをかけるなんて考えられない。シャープペンシルは禁止だから、えんぴつも毎日削らなきゃいけない。でも私は、そういう「きちんとしたところ」が日本の教育の良さだとも思っています。だから、どうしても入学したいという家族には、白衣の洗濯からPTA活動まで日本の公立学校とはどういうものかを細かく説明し、子どもを学校に預けっぱなしにせず一緒に育てていきましょうと話します。日本人同士では当たり前のことであっても外国から来た人にはわからないし、最初にきちんと説明し納得してもらうことで、無料なトラブルも減ってきたような気がします。

 
◎「違い」があることを知った子どもたちの成長を見届けたい

[お話をうかがった方] 横浜市立南吉田小学校・藤本哲夫校長先生

[お話をうかがった方]
横浜市立南吉田小学校・藤本哲夫校長先生


南吉田小ならではの異文化交流イベントも行っています。例えば「MYワールドランチ」は、在籍児童の出身国の料理について事前学習で学び、実際の料理を給食の時間に全児童で食べる月1回程度のイベント。今年7月は韓国の「キムジャン文化」をとりあげました。韓国料理を食べた日本の子どもたちが「おいしいね」というと、褒められた韓国の子どもたちもうれしくなる。食べるという行為は、無条件にみんなを笑顔にするようですね。だからといって、日本の子も中国の子も韓国の子も、みんな一緒に仲良し・・・と簡単にいくわけでもありません。母語の通じやすい同じ国の子どもたち同士でグループになるのは自然なことだと思います。でも少なくとも、この小学校の子どもたちは「国が違えばいろいろな考え方があるんだ」ということを体感しながら成長しています。5年後、10年後に、ここで育った子どもたちが共に手を取り合い、この街を誇りに思って、世界に発信してくれるようになるのが私の夢でもあります。

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